所蔵作品
所蔵作品紹介
小林清親(KOBAYASHI, Kiyochika)
御茶水蛍

屋根船が浮かぶ夜の神田川、お茶の水の風景。闇の中に蛍の微かな光。水面に細い縞状の線をほどこすのは、銅版画の技法を応用したものであろう。
この作品が描かれた明治初期の頃には、それまでの日本の伝統絵画にはない、新しい西洋の絵画様式が本格的に入ってきた。清親は西洋画の特質の一つである光の表現をいち早く版画の分野に取り入れ、明治9年から14年にかけて「光線画」と呼ばれる一連の作品を制作した。風雨や火事の風景、あるいは水面上の光の反射など、光の表現が大きくクローズアップされるような主題が選ばれ、多くは油絵と同じく輪郭を用いずに対象が描かれている。
これらの作品において清親は、単に光の表現の追求のみにとどまらず、画面に情緒を織り交ぜることを忘れていない。清親がしばしば「明治の広重」と称されるのも、清親の作品が広重に通じる情緒を含んでいるからに他ならない。
| 部門 | 浮世絵 |
|---|---|
| 作家名 | 小林清親(KOBAYASHI, Kiyochika) |
| 生没年 | 1847-1915年 |
| 作品名 | 御茶水蛍 |
| 制作年 | 1880年 |
| 大きさ | 24.5×35.7cm |
| 技法・素材 | 錦絵・和紙 |